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3月4日午後10時ごろ、ハノイ市タインスアン区レバンルオン通りにあるゴールデンパームビルのエレベーター内で、市内の大学に通う20歳の女子大生P・H・Vさんが男に無理やりキスされるという事件が発生した。地元警察はその後、痴漢行為を働いた男に罰金20万VND(約960円)を科したが、被害者女性が受けた恐怖と精神的苦痛に比べて処分が軽すぎるとして、事件後も大きな波紋を呼んでいる。
この事件の加害者は、紅河デルタ地方ハイフォン市出身のドー・マイン・H(37歳)。偶然エレベーターに乗り合わせたVさんに携帯電話の番号を聞き出そうと話しかけた。断られると、Vさんを隅に追い込んで、嫌がるVさんに抱きついて無理やりキスを迫った。犯行の様子は、エレベーター内の監視カメラに一部始終が写っており、事件後にネットで拡散し、男の卑劣な行為に非難の声が殺到した。
幸いなことに、すぐにエレベーターのドアが開いたので、Vさんは外に逃げ出すことができ、警察に被害を届け出た。事件後、地元警察は容疑者をHに特定。2度にわたる出頭要請の末、事件の4日後になって男はようやく警察署に出頭し、監視カメラに写っているのが自分だと認めたので、地元警察は法律に基づいてHを20万VNDの罰金処分とした。法律によると、こうした言動により他人の名誉および尊厳を損なう行為には、10万~30万VND(約480~1440円)の罰金が下されることになっている。
自分を襲った男への処分があまりにも軽いことにショックを受けたVさんは、こうした事件を未然に防ぐためにも、警察には男への重い処分を望むとしているが、現行の法律ではこれ以上の罰金を科すのが難しい状況だ。しかし、Vさんは事件のことを早く忘れたいとも考えており、裁判をする意思はないとのこと。
なお、今回のわいせつ行為に対する刑罰が驚くほど軽いことについては、国内外のメディアでも大きく取り上げられており、ベトナム社会における性犯罪に対する認識の低さなどが指摘されている。