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公安省刑事警察局は1月31日、腎臓あっせんの闇組織を摘発したことを明らかにした。この闇組織のあっせんにより腎臓を売った被害者の数は約100人に上り、過去最大規模となっている。
警察は捜査を経て国境付近で張り込み、1月21日に元締めのトン・ヌー・ティ・フエン(女・44歳、ホーチミン市在住)と共犯4人の容疑者計5人を臓器違法販売容疑で逮捕し、腎臓提供希望者11人を救出した。
警察によると、多額の借金を抱えていたヌー容疑者は借金返済のために自分の腎臓を売った。その「経験」を活かそうと、2017年5月から海外の闇組織と提携して「事業」を開始した。同容疑者とその子分は、少数民族の多い地方や、インターネットを通じて18~30歳の臓器提供希望者を募っていた。
診断を経て移植に適した腎臓が見つかると、臓器提供者は中国、台湾、シンガポールの移植拠点に移され、これらの国々で手術が行われた。臓器提供者と移植希望者とのマッチングから手術完了までの所要期間はわずか1週間だったという。
腎臓は1つ1万5000~1万7000USD(約164万~185万円)で取り引きされ、ここから2億VND(約95万円)を臓器提供者が受け取り、残りをこの闇組織が取り分として得ていた。
警察は非常に深刻な事件として捜査対象を拡大して裏付け捜査を進めている。
なお、ヒトの組織・臓器の購買・略奪罪に関する刑事法第154条では、◇高度な組織的行為、◇労働能力の61%以上の喪失を引き起こした場合、◇6人以上の被害者を出した場合、◇死者を出した場合などの量刑は終身刑となっている。