(C) zing 写真の拡大. |
情報通信省傘下で携帯通信大手のモビフォン(MobiFone)が、デジタルテレビ放送サービスを提供する地場オーディオ・ビジュアル・グローバル(Audio Visual Global=AVG)株95%を購入し、多額の公的資産損失をもたらした汚職事件で、チャン・ダイ・クアン国家主席は23日、情報通信相 兼 党中央執行委員のチュオン・ミン・トゥアン氏を職務一時停止処分とすることを決定した。
政府組織法では、政府構成員の任命・解任について首相の提案のもと国会が決定すると規定しているが、今は国会の会期中にあたらないため、国家主席が決定することになっている。
グエン・スアン・フック首相はこれに先立つ18日、トゥアン氏を警告処分とすることを決定した。また、ベトナム共産党政治局は12日、トゥアン氏を警告処分とすると共に、同省党幹事部書記(2016年~2021年任期)の役職を取り消すことを決定した。
同事件は、AVGが企業価値評価で大幅に水増しされ、モビフォンが同社株95%を実質的な価値を大きく上回る8兆8898億VND(約440億円)で購入したというもの。モビフォンは売却側に取引額の95%を支払った。
政府調査機関の調査結果によると、AVGは設立から企業評価時点の2015年3月末まで継続して赤字を計上しており、財務状況は極めて脆弱だったが、モビフォンは情報通信省から承認を得た上で、AVGの買収を決定した。
グエン・フー・チョン共産党書記長は、「極めて深刻且つセンシティブな事件で、国民も非常に注目している」として、買収の取り下げを指導した。モビフォンにAVG株を売却した者はこれまでに、モビフォンから受け取った資金の全てを払い戻している。