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ホーチミン市電力総公社(EVNHCMC)のグエン・タン・フン地域社会関係委員長によれば、同市は年間を通して太陽放射が強く、太陽光エネルギー事業の発展と太陽光エネルギーの使用拡大が期待できる市場だという。
実際、2017年9月から2018年5月までに太陽光発電システムを使用し、同社への売電についても登録している世帯数は2.7倍に増加しているという。
同市在住の男性は、総額4億VND(約190万円)をかけて出力18kWの太陽光パネルを設置したばかりだ。これにより、自宅のスマートホームシステムを自家発電のみで賄うことができ、電気代も平均で▲80%以上削減できるようになった。さらに余剰電力をEVNHCMCへ売電することもできる。
設置コストは出力1kWpあたり平均で2200万~3000万VND(約10万7000~14万6000円)で、1kWpには平均8m2の平らな照射面積が必要になる。従って、1か月の消費電力量が500kWhの世帯なら出力4kWpが必要で、それを賄うには総額8800万~1億2000万VND(約42万7000~58万3000円)を投じて32m2の太陽光パネルを設置しなければならない。
太陽光パネル設置の初期費用は安くないが、パネルの寿命は30年間で保証期間は25年間。メンテナンス費用を抑えられるのも魅力だ。太陽光エネルギーなら枯渇することもなく、騒音や排気などもなく環境に優しい。現在までに市内300世帯以上で太陽光パネルが設置済みだという。
市場では、太陽光パネルを販売する業者が多数あり、販売価格も1kWpあたり2000万~3000万VND(約9万7000~14万6000円)と幅が広い。一般家庭であれば2~5kWpが適しているが、経験と実績のある業者を慎重に選択することが必要だ。
首相決定第11号/2017/QD-TTgに基づく現行の買電価格は1kWあたり税抜き2086VND(約10円)で、2~5kWpの太陽光パネルであれば初期費用や売電を加味すると8~10年で元が取れる計算になる。
輸入原料を用いた太陽光パネルの国内加工工場を建設する計画もあり、太陽光パネルの価格も▲20%ほど安くなる見通し。EVNHCMCでは、省エネ推進活動を強化すると同時に温水器をはじめとした太陽光エネルギーの普及を目指すほか、市内の工業団地や行政機関、病院や学校で太陽光エネルギーの導入計画の策定を指導するよう同市に提唱している。