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近年、珍しい昆虫や爬虫類をペットとして飼うことを趣味とする人が増えている。販売元に電話で問い合わせてみると、昆虫や動物の殆どは海外から正規ルートで輸入され検疫を受けているとのこと。
インターネット上でも多くの昆虫や爬虫類が販売されている。タランチュラを始めとする珍しいクモなら小さいもので10万VND(約490円)、大きいものだと数十万~数百万VNDほど。そのほかの主な爬虫類は、◇ヤモリ:120万~700万VND(約5800~3万4000円)、◇大蛇:150万~400万VND(約7300~1万9400円)、◇カエル・イグアナ:70万~500万VND(約3400~2万4300円)、◇カメ:250万から380万VND(約1万2000~1万4500円)など。トカゲは小さなもので150万~400万VND(約7300~1万9400円)、このほかサバンナオオトカゲなどの大型の肉食トカゲも販売されている。
ホーチミン市内の爬虫類ショップでは、タイのカメが数十万~数千万VNDで、南米のカメレオンが種類によって数百万から数億VNDに上る高額で販売されている。ショップのオーナーによると、これらの爬虫類はタイから輸入されたもので検疫も済んでおり、間もなく当局で証明書の交付手続きをするのだという。また、同店で販売している爬虫類は疫病に感染しておらず、毒性もないとのこと。
同市の保健局や商工局、獣医支局などによると、現在市場に出回っているこれらの動物を管理する部署はなく、輸入された動物については地域の獣医支局が関連書類を発行するという。動物をベトナムへ輸入したい場合は、輸出国が発行した検疫証明書をもって同局に輸入申請しなければならない。ところが、第6地域獣医支局によれば長年にわたりこれらの動物に係る手続きを行っていないというのだ。
ベトナム農業科学技術研究所のレ・クイ・カー副所長は、外来種の密輸は自然へ重大な影響をもたらす危険性があると指摘する。スクミリンゴガイは雑食で繁殖力が強く、瞬く間に池や川、運河などに生息域を広げ、水稲に被害をもたらした。
また、アカミミガメは生態系を脅かすほか、腸チフスの原因菌を保菌している危険性があるとのこと。ウシガエルをはじめとするカエルも有毒なものが多いだけでなく繁殖力が強いほか、タランチュラは有毒である上に植物に疫病をもたらす恐れもある。このため、当局による輸入動物の取り締まりが急務となっている。