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デング熱とジカ熱の感染が多発する南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市ビンルオン村で3日、デング熱・ジカ熱対策として国内で初めて約100匹のボルバキア菌感染蚊が放出された。同村では予め蚊の放出の賛否を問う投票を行い、地域の全370世帯から賛同を得ていた。
同プロジェクトはオーストラリアのモナシュ大学の補助金で実施されるもので、放たれた蚊がデング熱やジカ熱の感染源の蚊と交配することによりウイルスの増殖が抑えられ、感染源を撲滅できるものと期待されている。
約3000人が居住する同市チーグエン島では、2013年~2014年にかけてボルバキア菌に感染させた蚊の放出が試験的に実施された。2014年12月時点の調査では同島に生息する蚊の90%以上がボルバキア菌感染蚊に変わったとする結果出ており、現在もその生息数を維持している。
この成果から研究グループは2015年から本土での放出について研究を進め、同村での蚊の放出に至った。今後12~18週間にわたり、1週間毎に100匹の蚊をプロジェクトの地図に則った50m四方の敷地へ放出する予定。
ボルバキア菌感染蚊を用いたデング熱やジカ熱の感染源撲滅はベトナムやオーストラリア、インドネシアを始め世界各国で10年以上前から研究されており、人間や動物、環境に安全な方法であるとして評価されている。