エクシムバンク[EIB](Eximbank)ホーチミン支店の副支店長が顧客の預金2450億VND(約11億7000万円)を横領し海外に逃走した。
被害に遭ったのは水産業界で有名な実業家のC・T・Bさん(女性)。Bさんは2007年から同行ホーチミン支店に多額の資金を預金し、窓口に足を運ぶことなく自宅で取引するなどVIP顧客として扱われていた。Bさんと直接取引したのは同支店のレ・グエン・フン副支店長だった。
Bさんが2017年末に口座残高を確認したところ、資金を何者かに引き出されていたことを発見。警察の調査では、フンが2014年から2016年にかけて複数回にわたって委任状を不正に使用する手口でBさんの預金口座から現金を引き出していたことが分かった。フンは既に海外に逃亡し、国際指名手配されている。
Bさんは同行に預金の支払いを求めているが、同行は委任状がBさんの署名入りだったことから、裁判所の判決に従うと主張している。なお、警察の鑑定結果によると、委任状の署名はBさん本人のものだったことが確認された。Bさんはフンに騙されて署名したものと見られている。
今回の事件を受け、同行では自宅での取引、委任状による取引、預金の一部引き出しがあるかなど、預金額が50億VND(約2400万円)以上のVIP顧客の取引を確認した。その結果を踏まえ、今回の事件と同様のケースは存在しないと発表し、再発防止のためワークフローも見直している。