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国連児童基金(ユニセフ=UNICEF)は20日、世界の新生児死亡率を比較する報告書を発表した。ベトナムで新生児が死亡する割合は87人に1人と、184か国・地域のうち80位となっている。
この報告を受けて、ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォア氏は、この25年間で5歳未満児の死亡数を半分以下に削減することができた一方で、生後1か月未満の子どもの死亡数については同様の成果を導くことができなかったと指摘している。
同報告書は2017年時点での新生児1000人に対する生後28日未満で死亡した乳児の割合を対象国で比較したもので、日本が0.9人と最も低かった。新生児死亡率が低かった国・地域のトップ3とワースト3は次の通り。
<トップ3>
◇1位:日本・0.9人
◇2位:アイスランド・1.0人
◇3位:シンガポール・1.1人
先進国とされるカナダや米国はそれぞれ38位・3.2人、41位・3.7人と順位が低かった。
<ワースト3>
◇1位:パキスタン・45.6人
◇2位:中央アフリカ・42.3人
◇3位:アフガニスタン・40.0人
ワースト10の国・地域のうち8か国・地域が貧困や紛争に苦しむサハラ砂漠以南のアフリカだった。
パキスタンでは、新生児に最も安全とされる日本のおよそ50倍近くも死亡率が高いことになる。これらの国・地域の新生児死亡率を2030年までに上位国の程度に削減できれば、1600万人の命を救えることを意味する。
報告書によると、新生児の死因は80%以上が早産や出産時の合併症、肺炎などの感染症によるもので、助産師や清潔な水、消毒剤などがあれば助かることが多いとされている。しかし、一部の貧困地域では医療従事者が不足しており、ソマリアでは新生児1万人に対する医療従事者数はわずか1人だという。
ユニセフは2月にグローバル・キャンペーン「Every Child ALIVE」を開始した。ユニセフはこのキャンペーンを通じて、すべての子どもが生きるチャンスを得られるよう、政府、保健サービス提供者、ドナー、民間セクター、家族や経済界に対して、妊産婦・新生児ケアの経験を持つ医療従事者や医薬品・資材などの確保、衛生的な環境の整備などを要請している。