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紅河デルタ地方ナムディン省ミロック郡でチャン・フィー・コンさん(男性・58歳)が10年前に開業した洋ラン(シンビジウム)園が、このほど国内最大級の民間経営洋ラン園として、ベトナム版ギネスブックとして知られるベトナム・ブック・オブ・レコード(Vietkings)に登録された。
コンさんはもともとラン農家に生まれ、長年ラン栽培に携わってきた。その過程でランの虜になったコンさんは、独自に市場調査を始め、ベトナムではランに対する需要が高い一方で大規模かつ希少品種を取り扱うラン園がないことに気付き、経済価値の高いラン栽培に集中することを決意した。
シンビジウムは北部地方のみで栽培が可能な品種で、テト(旧正月)の花として全国で珍重される。また、しっかりと堅いバルブ(偽球茎)にしなやかな葉が美しい曲線を描き、華麗な黄色い花からはほのかな香りが漂うシンビジウムは、ラン愛好家からは「ランの女王」の愛称で親しまれている。
コンさんは2007年、苗木や栽培施設に5億VND(約250万円)を投じ、現在では1鉢に30~40のバルブを有するシンビジウムを2300鉢にまで増やすことに成功した。ナムディン省にはコンさんのほかにもシンビジウムを栽培する農家は存在するが、シンビジウムは気温に敏感で病気にかかりやすく、高度な栽培技術を要するためいずれも小規模な栽培だという。
コンさんは2017年年初からシンビジウムの販売を開始し、連日ハノイ市や紅河デルタ地方ハイフォン市、同ニンビン省、同ハナム省からラン愛好家がコンさんのラン園を訪れている。価格は花の付いた茎が7~9本あるもので1鉢1000万VND(約5万円)、苗木は大きさによって50万~60万VND(約2500~3000円)で、成長すれば150万VND(約7500円)の価値になるという。
現在コンさんのラン園は地域の人々の雇用の創出にも貢献しており、今後も規模を拡大していく計画だ。