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旧暦7月15日のお盆にあたる5日、ホーチミン市5区、6区、8区、11区の中華街のチョロン地区の至るところで、紙幣を含むお供え物をめぐって住民同士が争奪戦を繰り広げる風景が見られた。
中華街に住む華人は、お盆に祖先の霊を祀る儀式のほか、路頭に迷う浮遊霊を祀る儀式も行う。特に華人系の個人事業者は、浮遊霊に取り付かれないようこの儀式を盛大に行う習慣がある。お供え物には、紙製の冥器のほか、ブタ・ニワトリ・カニの「三肉」、米・塩・サトウキビ、果物、お菓子、小額紙幣などがある。
儀式の後、家の主人はお供え物を貧困世帯などに配るが、紙幣についてはベランダからばら撒くことが多い。ばら撒かれる紙幣を効率よく確保するため、大きなネットなどを準備して参戦する人も少なくない。
かつて、お供え物を奪い合うのは子供の遊びだったが、近年では大人の戦場に様変わりしている。「生きた浮遊霊」が戦いで血を流すことも珍しくなく、集まった人々で一部の通りは交通渋滞となるため、対策を講じるよう求める声も市民からあがっている。