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かねてより製造元が明らかでないタピオカや寒天、ゼリーなどが入ったミルクティーは健康に害があるとして注意喚起がなされているが、依然として卸売市場には原料が整然と陳列され、それらを仕入れに来る飲料販売者が後を絶たない。
ホーチミン市では5区のキムビエン市場や6区のビンタイ市場が原料を破格の値段で仕入れることができる市場として商人の間で知られている。ミルクティー用に流通しているミルクは生乳や練乳ではなく脱脂粉乳で、ミルクティーに混ぜられる具材の瓶には製造元や輸入元などの情報は記載されていない。
1kg当たりの原料価格は、脱脂粉乳が4万5000VND(約222円)で3L分のミルクに、紅茶のティーバッグは1万6000VND(約79円)で6L分の紅茶に相当する。タピオカパールは1万8000VND(約89円)で最低でも50杯分に相当する。
キムビエン市場の商店の売り文句はこうだ。「いくら位のが欲しいの?いろんな種類があるわよ。分からないなら教えるわよ、1杯50mlのミルクティーにコップや氷、ストロー、ビニール袋の値段も入れると、1杯当たりのコストは3000~5000VND(約14~24円)、売値は1杯8000~1万5000VND(約39~74円)ってとこね」。
原料の製造元を尋ねると、配達されたものを受け取るだけなので分からないとしつつ、ミルクティーを売っている人はみんなこれらの原料を使っているという。
先ごろ、ホーチミン市食品安全衛生支局は市内で流通しているミルクティー100サンプルを検査したところ、全サンプルで基準値を超える細菌が確認された。ホーチミン市自然科学大学のチャン・ティ・ゴック・ラン博士もまた、これらのミルクティーに使用されている原料は全て化学物質を使用しているため、長期間にわたり飲み続けると一定の健康被害が生じると指摘する。
ミルクティーに使用されている脱脂粉乳は生乳に対してカルシウムや各種ビタミン、プロテインの含有量が少ない一方で、糖分や脂質が多いため肥満になる恐れがあるとのこと。さらにタピオカパールは水銀、鉛、ヒ素が含まれており、ガンや不妊などの健康被害につながる可能性があるという。
同局のグエン・ティ・フイン・マイ副支局長は、市内には営業許可なくタピオカミルクティーを販売する店舗が数えきれない程存在し、取り締まりが難しい状況にあるとし、これらの飲料は慎重に購入するよう呼び掛けている。