(C) Vu Phuong, Thanh Nien |
ホーチミン市交通警察直属のビンチエウ交通警察分署では、2014~2016年に交通違反で差し押さえられた運転免許証が時系列ごとに大きなキャビネット3個に保管され、来ぬ持ち主を待ち続けている。
交通違反で免許証を差し押さえられたものの、持ち主が罰金の納付と免許証の返却受け取りに当局を訪れていない未処理の免許証の保管期限は10年間で、現時点の保管件数は約1万件。その数は2016年だけで2376件に上り、2017年用のキャビネットにも既に994件分が保管されている。
持ち主が免許証の返却受け取りに訪れない主な理由は、通行禁止違反や一方通行違反、揮発油規格違反などの罰金50万VND(約2400円)の払い渋りによるもので、保管されている免許証は「捨てられた」状態にある。これにより、未納の罰金総額は50億VND(約2400万円)に上る。
このほか、持ち主が交通警察分署から遠方に住んでいるため往来の手間を敬遠するケースや、手数料が安く手続きも簡易な免許証の再発行を選択するケースも多い。
ただし、これはビンチエウ交通警察分署の例であり、ホーチミン市内には同分署を合わせて16の交通警察分署が点在するため、未処理免許証と未納罰金額は更に膨大であることは容易に想像がつく。
膨大な未処理免許証の問題を前に、同市交通警察は差し押さえ免許証について罰金の納付期限のリマインドや免許証発行機関宛ての文書発行などのシステムを展開している。