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ベトナムでは人民証明書(CMND)の質入れや、質流れになった人民証明書の売買が横行している。他人の証明書が犯罪目的で使われる場合も少なくない。
ホーチミン市の質屋では、質流れになった人民証明書を簡単に入手できる。警察には売らないよう言われているが、質屋側は資金を回収する必要がある。質屋で入手できなくても路上で物を売っている人に尋ねれば、誰かを紹介してくれる。
公安省ハイテク犯罪防止警察局(C50)と刑事警察局(C45)は2017年1月に、大規模な違法賭博グループを摘発した。逮捕されたグループの2人のリーダーは、インターネット上で賭博を運営し、約3000億VND(約14億4000万円)を取引していた。警察によると、賭博の主催者も客も他人の人民証明書を購入して銀行口座を開設し、取引に使っていたという。
ホーチミン市警察の幹部は「銀行口座を開設する際に、人民証明書が本物か偽物かを確認する作業がしっかり行われていない。偽物の人民証明書を使って開かれた口座が犯罪に悪用される危険性について、警察は警告してきた。(2016年1月から発行され始めた)新しい身分証明カードへの切り替えが進めば、こうした犯罪は減らせるだろう」と話している。