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ハノイ市ホアンマイ区タンマイ街区タンマイ通りで2016年9月に9歳の少年がシクロ(Xich Lo、自転車タクシー)から突き出たトタン板で首を切られ死亡した事故で、同区人民裁判所は27日、道路交通手段の規定に違反した罪に問われていたシクロ運転手のディン・ゴック・タック被告(男・53歳、紅河デルタ地方ハナム省出身)に6か月の保護観察の判決を言い渡した。
この事故は、少年が友人数人と自転車でザイフォン通りからデンルー通り方面に向かってふざけ合いながら走っていたところ、路上に停まっていたシクロにぶつかり、シクロが積んでいた長さ約4mのトタン板で首を切られ死亡したというもの。
死亡した少年の遺族とタック被告は同じ路地に住む隣人同士だった。遺族は裁判所に出頭しなかったが、同被告に賠償を求めることはせず、弁護人を通じて裁判所に対して同被告の減刑を要請する文書を提出した。
退役軍人で越中戦争で戦ったこともある同被告は、戦時中に負った障害のため健康状態が悪く、シクロの運転で生計を立てていた。同被告の家族は借金をし、またかつての同志らもお金を出し合うと共に寄付金を調達し、少年の遺族に賠償金として1億3000万VND(約63万円)を支払っている。
同被告は、「深く反省し、少年と遺族に謝罪したい」と語った。裁判所は不本意な事故だったことや同被告が戦争の功労者であること、既に遺族に賠償金を支払ったことなどを踏まえて、同被告に同情の余地があるとして6か月の保護観察の判決を下した。