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23日の午前9時、ホーチミン市がん腫瘍病院に入院中のレ・バン・カンくん(16歳)は、同市交通警察の警察官らに連れられてビンタイン区ノーチャンロン通りとレクアンディン通りの交差点に立ち、交通整理の任務に就いた。
カンくんは南中部沿岸地方フーイエン省出身の4人兄弟の末っ子で、将来の夢は交通警察官だ。しかし、10年生への進級を目前に控えていた2016年6月、母親のタインさんはカンくんの左肩にしこりがあることに気付き、カンくんに病院を受診させると悪性骨腫瘍であることが分かった。2017年1月下旬からカンくんは母親の付き添いのもとで術前化学療法を受けているが、今後は左腕の切断を余儀なくされる。
カンくんのことを知った同市交通警察は、病の克服の原動力になればと、この度サプライズでカンくんの病室を訪れ、わずかな時間ではあったがカンくんの夢が叶うこととなった。カンくんは満面の笑みで警察官らが持ってきた制服に袖を通し、グエン・バン・ミン少佐の運転する白バイで現場に向かった。
現場に着くとミン少佐から手信号を教わったカンくんは1人で交差点に立ち任務に就いた。10分ほどしてミン少佐から交通違反のバイク運転手を指導するよう指示を受けたカンくんは、にこやかに運転手に敬礼し、免許証の提示を求め交通ルールを順守するよう指導した。
交通整理をする息子の姿を目の前にタインさんは「息子の夢が叶い、胸がいっぱいで何と言ったらよいか分かりません。息子が元気に家に戻り、学校へ通えるよう母親としてできることはやり尽くすつもりです」と涙を浮かべた。