デング熱とジカ熱の感染が多発する南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市で、デングウイルスとジカウイルスを媒介しない蚊を自然界に増やすことで、人間への感染拡大を防ぐ新たな試みが始まった。
同プロジェクトはオーストラリアのモナシュ大学の補助金で実施されるもの。中央衛生疫学研究所は保健省の承認のもと、同市ビンフオック街区、ビント街区、ビンチュオン街区、フオックロン街区の4街区で、細菌「ボルバキア」に感染させた約100万~140万匹の蚊を放す。
3月より12~18週間にわたり蚊の放出を行う予定。放たれた蚊がデング熱やジカ熱の感染源の蚊と交配することによりウイルスの増殖が抑えられ、感染源を撲滅できるものと期待されている。保健省は、放出から3か月後までに対象地域におけるボルバキア菌感染蚊の比率を70%以上にするよう求めている。
なお、これに先立ち、同市チーグエン島でボルバキア菌に感染させた蚊が既に試験的に放出されている。