(C) vnexpress, Duy Tran |
カンボジアのトンレサップ湖に住む水上生活者を別の地域へ移すという同国当局の決定を受けて、移転対象となった多くのベトナム系世帯がベトナムに帰国し、東南部地方ビンズオン省とビンフオック省、タイニン省の3省に接するザウティエン湖周辺に殺到している。
彼らの新たな居住地は、主にビンフオック省ホンクアン郡ミンタム村、タイニン省タンチャウ郡タンタイン村に集中している。湖の土手に建てた簡易な小屋に住み、漁獲で生計を立てている。大半はカンボジアで生まれたが、カンボジア国籍もベトナム国籍も有さず、またベトナム語を話すことができても読み書きができない。
タンタイン村では、数日間で数百もの世帯が同村にたどり着いた。現在、352世帯の1000人余りの移住が確認されている。同村人民委員会は彼らに米を支給するほか、ザウティエン湖周辺で水道管や電柱などのインフラを整備し、住宅100軒を建設して各世帯に割り当てる計画だ。
当局は、彼らを支援する対策に積極的に取り組んでいるが、支援策を聞きつけて帰国する水上生活者が更に増加し、ザウティエン湖周辺地域に殺到することになれば、同地域の治安が悪化するのではとの懸念も出ている。
グエン・スアン・フック首相は労働傷病兵社会省、教育訓練省、及び司法省の3省に対し、地元当局と協力し、彼らの国籍や就学をはじめとする諸問題に措置を講じるよう指導した。ベトナムで生まれた移民の子供については、地元当局へ出生届けを提出し、ベトナム国籍を取得することができる。