南中部沿岸地方フーイエン省ソンホア郡ソンホイ村に住む27歳の男性が、蚊の媒介を主な感染源とする「ジカウイルス(Zika virus)」に感染していたことが明らかになった。ベトナム国内で感染が確認されたのは、今回が3人目となる。
フーイエン省保健局の報告によると、男性は6月27日に発熱や筋肉痛、関節痛などの症状があり、同月30日に全身に発疹が出たため、ソンホア郡総合病院で治療を受けた。デング熱の感染が疑われたが血液検査の結果は陰性で、男性は7月7日に退院した。
7月28日、この男性の血液サンプルを南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市のパスツール研究所が検査した結果、ジカ熱の感染が確認された。これを受けてフーイエン省保健局は、男性の家族からも血液と尿のサンプルを採取し、ニャチャン市パスツール研究所に検査を依頼している。
同局は作業部会を立ち上げて、男性の自宅及び近隣世帯のゾーニングを行うと共に、ソンホア郡の医療センター及び各村・村落の診療所、ソンホイ村青年団に対して患者の自宅から半径250m以内の範囲で蚊の幼虫(ボウフラ)の駆除対策に取り組むよう指導した。
これに先立ち、4月にニャチャン市フオックホア街区在住の64歳の女性と、ホーチミン市2区在住の33歳の女性の2人がジカ熱に感染したことが確認された。2人はいずれも感染地域への渡航歴がなかった。