(C) thanhnien, 左:ビン被告、右:トゥイ被告 写真の拡大. |
公安省の元職員で探偵事務所の元社長のグエン・フウ・ビン被告(男・60歳、ハノイ市在住)が個人ブログに政府を批判する内容を繰り返し投稿し、国家に不利益をもたらした罪に問われていた事件で、ハノイ市人民裁判所は23日、同被告に禁固5年の判決を言い渡した。
ビン被告の同僚で共犯のグエン・ティ・ミン・トゥイ被告(女・36歳、同)には、禁固3年の判決を下した。2人はいずれも罪状を認めていない。
起訴状によると、ビン被告は2013年9月から、「ザンクエン(Dan quyen=民権)」及び「チェップスーベト(Chep su Viet=ベトナム歴史記録)」の2つの個人ブログを開設、運営していた。2014年5月に逮捕されるまで、トゥイ被告と協力して「アインバーサム(Anh Ba Sam=皮肉のバーさん)」のハンドルネームで事実を歪めた内容を投稿し、国の指導者らを誹謗中傷したほか、政策方針などの批判を繰り返していた。
2つのブログには2400本近くの記事が掲載され、ページビュー数は合わせて372万件以上に達している。このうち24本の記事は「事実と異なる内容が含まれている」として、裁判での証拠物件として認められた。
ビン被告は北中部地方タインホア省共産党委員会書記や労働省大臣、駐旧ソ連ベトナム大使などの要職を歴任した故グエン・フウ・キエウ氏の末っ子。本人も1979年に国民公安大学卒業後、公安省公安総局、外務省在外ベトナム人委員会の職員として働いていた。1999年に公務員の職を離れて探偵事務所を開設した。
なお、ブロガーによる一連の活動が刑事事件として処理されるのは今回が初めてのことではない。特にグエン・タン・ズン首相が2012年9月に政府や共産党の誹謗中傷を繰り返すウェブサイトやブログを運営する組織・個人に対する摘発強化及び処分の厳格化を公安省に指示して以降は、逮捕件数が急増している。