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労働傷病兵社会省査察部はこのほど、全国12省・市の繊維・縫製企業152社を対象に実施した労務に関する調査結果を発表した。この調査は、同省査察部や国際労働機関(ILO)、ベトナム労働総連盟、ベトナム商工会議所(VCCI)が協力し、5月から9月にかけて実施したもの。
調査の結果、152社で1786件の違反が発見された。具体的には、◇残業時間の超過:60社、◇12か月未満の乳児を養育中または妊娠7か月超の女性労働者の保護制度違反:22社、◇賃金表の未作成:47社、◇年次有給休暇の未消化分や時間外労働分の賃金未払い:36社、◇政府の定める地域別最低賃金額を下回る賃金の支給:11社など。
繊維・縫製分野はベトナムの主力輸出産業となっており、企業数は約6000社、労働者数は約250万人に上る。しかし、調査により、多くの企業が安全警告・禁止・指示看板や避難経路図を設置していないなど労働安全に関わる違反を犯していることが明らかになった。
査察部のグエン・ティエン・トゥン氏は、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効後に国内企業がTPPの枠組みで輸出する場合、国際法及びベトナムの法律を順守しなければならない。今回の調査は、対象企業にとって労働法規順守の基盤を固める足がかりとなるだろう」と述べた。
なお、同省査察部は、労働災害事故が多発する建設分野の労務調査を2016年にも実施する見込みだ。