(C) 福岡アジア文化賞, ミン・ハイン氏(左) |
ベトナムを代表する女性ファッションデザイナーのミン・ハイン氏が、日本の「2015年(第26回)福岡アジア文化賞」の芸術・文化賞を受賞した。福岡アジア文化賞の受賞は、1996年(第7回)に学術研究賞を受賞した歴史学者のファン・フイ・レ氏に続いて、ベトナム人として2人目。
福岡アジア文化賞は、1990年に福岡市と学界、民間がアジア地域の優れた文化の振興と相互理解及び平和に貢献することを目的として創設したもの。アジアの学術・芸術・文化に貢献した人々に対して授与される。
ミン・ハイン氏は、1961年生まれの54歳。1983年、ホーチミン市美術大学卒業。ベトナム固有の文化への洞察をもとに、アオザイと少数民族の刺繍や織物を融合させた現代的なデザインを創造する一方、自らファッションショーを世界中で展開し、ベトナムの魅力を発信してきた。さらに、若手デザイナーの育成や市場の開拓にも取り組み、ファッション文化の発展に大きく貢献している。
2003年には京都の清水寺で日越外交関係樹立30周年を記念するアオザイ・コレクション展を奉納したほか、ベトナム航空客室乗務員のユニフォームや2006年開催のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の各国首脳のコスチュームをデザインするなど、数々の業績を重ねている。
今回は、大賞をミャンマーの歴史学者でヤンゴン・ヘリテージ財団会長のタン・ミン・ウー氏が、学術研究賞をインドの歴史学者・社会学者のラーマチャンドラ・グハ氏が受賞した。授賞式は、9月17日に福岡市で行われる。