(C) zing, ウット氏(左)と「戦争の恐怖」に写る村人(右) 写真の拡大. |
(C) zing, 「戦争の恐怖」の撮影地点を訪れたウット氏 写真の拡大 |
AP通信の報道写真家でベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏は8日、ベトナムの基金「アンダースタンディング・ザ・ハート・ファンデーション(Undestanding the Heart Foundation=UHF)」への募金を集める目的で、ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」を含む5作品の競売を行った。5作品は計4億5000万VND(約260万VND)で落札された。
「戦争の恐怖」は、1972年6月8日、現在の東南部タイニン省チャンバン郡で南ベトナム軍と北ベトナム軍が交戦し、南ベトナム軍の戦闘機が投下したナパーム弾による爆撃から逃れる少女と村人たちを写したもの。裸で泣きながら逃げる当時9歳の少女は、後にカナダ国籍を取得したファン・ティ・キム・フックさんだ。「戦争の恐怖」は1973年、ピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞した。
ウット氏は同日、越米国交正常化20周年及びベトナム戦争終結40周年を記念する活動の一環として、AP通信の同僚やUHF基金のメンバーらと共に写真の撮影地点を訪れ、写真に写っている村人との再会を果たした。今回の訪問はドキュメンタリー化され、米国の9つのテレビチャンネルで放送される見通しだ。