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ホーチミン市科学技術局は17日、ホーチミン市国家大学傘下のIC設計研究訓練センター(ICDREC)と協力して、同市が管理する移動用の放射線源124台のうち2台に位置追跡システムを装着した。国内で放射線源に同システムを装着したのは今回が初めて。年末までに、残る放射線源にも同システムを装着する計画だ。
今回、装着の対象となった放射線源は、原子力発電関連機器の品質検査などを手掛ける仏アパーヴグループの100%子会社、アパーヴ・アジア太平洋有限会社が保管するもの。同社の放射線源は2014年9月に盗難に遭っていた。
ICDRECが設計・製造したこの位置追跡システムは、全地球測位システム(Global Positioning System=GPS)と国内初の電子チップ「SG8V1」を搭載しており、遠隔地から現在位置を追跡することができる。電池持続時間は約1年間。
位置追跡機能のみを有するものと、位置追跡機能と放射線測定機能を備えるものと2種類あり、価格はそれぞれ500万VND(約2万7600円)と1000万VND(約5万5000円)。全124台の放射線源に同システムを装着するには約20億VND(約1100万円)の経費がかかる試算で、費用は同市人民委員会の予算から拠出される。
なお、ベトナムでは放射線源の紛失や盗難が相次いでおり、この4月にも東南部バリア・ブンタウ省の地場大手鉄鋼メーカーのポミナ鉄鋼(Pomina Steel)が放射線源を紛失していたことが明らかになった。同システムは、放射線源の紛失防止に貢献するものと期待されている。