(C) tuoitre |
南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市人民委員会はこのほど、市内に点在する歴史的な古井戸を保存すべく、同市文化遺産保存管理センターに対して、復原案を策定し同市人民委員会に提出するよう指導した。
これらの井戸は、かつて南中部沿岸地方で栄えたチャンパ王国時代の民によって15世紀ごろに掘られたもの。市内に約80か所の古井戸があり、主にカムハー村とタインハー街区のデーボン川北岸に集中しているが、その大半は老朽化し、放棄された状態にある。
市当局はまず、市中心部にある古井戸8か所の復原を行うこととし、これを観光スポットとして活用することも計画しているという。また、対象となる古井戸の復原工事を行うと同時に、地中に埋まっている古井戸の発掘も推進し、復原対象に追加する方針だ。
なお、この地域では、「バーレー井戸」をはじめとする古井戸の水は美味しいという評判が立ち、レストランやカフェ、ホテルなどで水道水の代わりに重宝されている。特にホイアンの名物料理カオラウ(伊勢うどんがルーツといわれる麺)やホワイトローズ(バインバオバック、米粉の蒸した皮にエビのすり身と揚げタマネギを載せたもの)は、この「バーレー井戸」の水を使わなければ独特の風味が出ないと言われている。