(C)VOV、収穫中のラム・ハインさん 写真の拡大. |
米ハワイ州の州都ホノルルがあるオアフ島に、ベトナム南部の田舎で見られるのと同様の農園がある。ラム・ハインさんの農園で、ベトナムの葉物野菜や果物などを栽培している。
今から20年前、メコンデルタ地方で農業をしていたハインさんは、米国への移住など考えたこともなかったが、妻の米国在住の親戚が保証人になってくれるというので、ハワイへの移住を決めた。しかし仕事の当てはなく、できることは何でもして糊口をしのいだ。
その後わずかな貯金で土地を借り、野菜作りを始めた。やがて空いている土地でバナナ、スターアップル、ジャックフルーツなどの果物の栽培にも手を広げるようになった。種はベトナムや米国から仕入れた。ハワイの気候は温暖で台風もめったに来ないため、農作物の栽培に適しているという。
最初はハワイ州内だけでの販売だったが、今では毎週米国本土に出荷している。それでも収入は家族が暮らすには十分な程度に留まる。オフィスでのもっと楽な高収入の仕事があれば転職したいですか?との問いに、ハインさんは首を横に振り「外で自然を肌に感じながら働く方が好きですよ。農業の方が自由ですから」と笑って答えた。