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情報通信省は21日、ベトナム国営テレビ(VTV)に対し3000万VND(約16万5000円)の罰金処分を下した。VTVはベトナム教師の日(11月20日)の特別番組として、アニメ作品「Nhat xuong cho thay(先生のために骨を集めてあげる)」を放送。この内容が教師を小馬鹿にしているとして視聴者から苦情が出ていた。
視聴者の苦情が相次いだことを受けた情報通信省は作品の内容を調査。その結果、放送及び出版に関する行政処分について規定した政令159号/2013/ND-CPに該当する違反があったとし、VTVに罰金処分を下したうえで謝罪を要求した。
問題のアニメ作品の内容は概ねこのようなものだ。ある日、息子のために家庭教師を雇った両親が、家庭教師と息子を交えて食事をした。腹いっぱい食べたい家庭教師だが、両親の手前、遠慮してなかなか箸がつけられない。そこで家庭教師は、食事中もマナーなどを教えたいので、できれば両親とは別々に食事をしたいと提案した。
数日後、提案通り別々に食事をしていると、家庭教師は打って変わって暴飲暴食の限りを尽くす。教え子の分まで奪い、魚や肉の骨は散らかし放題。挙句の果てに、食べ終えると「きれいに骨を片付けておきなさい」と一言。月日は流れ、最後の授業を終えて家庭教師が両親に挨拶しているとき、「もう教えることはありません」と誇らしく語る家庭教師に対し、教え子は「先生が100歳まで長生きできますように。僕は101歳まで生きます」と言った。「どうして101歳まで?」と訊くと教え子は、「先生の食べ残した骨を拾わないといけませんから」と返し、両親の前で気まずい思いをした。
内容的には、子供は大人のすることをよく見ているので、大人も迂闊な言動はできないという風刺の効いた作品だ。内容はともかく、この作品を教師の日に放送したことが視聴者の反感を買った理由だろう。