労働傷病兵社会省の報告によると、2006~2013年の8年間の労働災害による死者数は、社会保険に加入している労働者だけで約5300人に上る。毎年700人近くが死亡している計算になる。同期間に労働能力の5%以上を失った負傷者は4万人を超えている。
労働災害の発生原因は、労働安全衛生に関する法律が遵守されていないためで、中小企業に多い。監督当局の検査をやり過ごすためだけに、規則に従っているという企業が多いのが実情だ。
労働安全衛生に関する訓練を受けた人の数は年々増えているものの、全体に占める割合はまだ少ない。多くの労働者が農業から工業分野に移行しており、訓練はそのスピードに追いついていない。農業出身者は労働安全衛生の知識や技能が不足しているため、危険な行為を十分に理解できていない。
定期的な労働環境調査や労働者の健康管理は実施数が増えてはいるが、全体に占める割合は共に10%程度に留まる。また、2013年に健康診断を受けた労働者のうち、健康レベルが低いと判定された人は10%を占めた。