(C) dantri, 最後の皇子グエン・フオック・ビン・ジエウ氏 写真の拡大 |
ベトナム最後の皇子とされているグエン・フオック・ビン・ジエウ氏が12日、老衰のため米国で死去した。90歳だった。ジエウ氏はグエン(阮)朝の第10代皇帝タイン・タイ帝(成泰帝:在位1899~1907)の息子で、タイン・タイ帝の在位中に正式に帝位継承権を与えられた最後の皇子だった。
父のタイン・タイ帝は、10歳の若さで即位したが、実権を握るフランスへの反抗心が露見し、1907年に28歳で退位させられた。その後は、当時7歳の息子ズイ・タン帝(維新帝)に譲位したが、1916年にズイ・タン帝も父と同様、フランスに反抗し廃位させられると、親子揃って仏領レユニオン島へ流刑となった。
ズイ・タン帝の弟にあたるジエウ氏だが、米国では庶民的な生活を送り、経済的にも決して豊かではなかったという。なお、阮朝の第13代にして最後の皇帝バオダイ(保大帝)にも複数の後継者がいるが、いずれもバオダイ帝の在位中に正式に帝位継承権を与えられていなかった。