(C)Tien phong、バン・ランさん(左) 写真の拡大 |
ベトナム南中部沿岸地方クアンガイ省で、40年間ジャングルの中で暮らしていた「森の人」であるホー・バン・タインさん(83歳)とその息子バン・ランさん(42歳)が2013年8月に保護されたことは、記憶に新しい。ランさんが父親に抱かれてジャングルに入ったのは1歳の時で、旧正月(テト)を迎えるのは今回が初めてとなる。
2人はタイチャー郡チャーフォン村で、寄付金で建設された家に住んでいる。ランさんはベトナム語を話せないため、弟のチーさんに通訳してもらう。ランさんが知っているテトは、少数民族コー族が旧暦10月に行う「ガーザ」と呼ばれるお祭りで、その日には父のタインさんが祭壇にもち米やネズミの肉などをお供えしていたという。
数日前、チーさんは父と兄を連れて、テトに着る新しい服を買いに市場に行った。ランさんは喜んでいたが、タインさんは普段と変わらず物静かだったという。
ランさんはまだ新しい生活に慣れていない様子だが、畑仕事は上手にこなす。いずれ社会に溶け込むようになるだろう。チーさんが「今度のテトは一族が集まって、賑やかになりそうです」と語った。