ホーチミン市トゥードゥック区人民裁判所は20日、児童虐待の罪に問われていた女性保育士のレー・ティ・ドン・フオン被告(31歳)とグエン・レー・ティエン・リー被告(19歳)に対して、禁固3年を言い渡し、さらに被害者家族に賠償金2000万ドン(約9万8000円)の支払いを命じた。
フオン被告は、同区ヒエップビンフオック地区で保育所を経営していたが、昨年12月に近隣住民の告発により児童虐待の実態が暴かれた。保護者の間で非常に関心を集めた事件だったため、事件発覚から裁判で判決が下されるまで僅か1か月という異例の早さで進められた。今回の裁判は裁判所ではなく、多くの地元住民が傍聴できるように同区児童文化センターで行われた。
起訴状によると、被告らは子供に食事を与える際、頭を押さえつけて、嫌がる子供に無理やり食べさせ、子供がむせて食べ物を吐き出すと頭を激しく揺さぶったり、水の入ったタンクに顔を押し付けたりするなどの体罰を加え、更に生後10か月の乳児に対しては鼻を押さえて息をできなくし、苦しくなって口を開けたところに無理やりミルクを流し込んでいたとされている。
フオン被告は、同市サイゴン大学で保育に関する学士号を取得しており、市内の有名保育園に勤務した後、同区で無認可の保育所を開設した。リー被告も同大学の出身で、フオン被告の保育所で保育士見習いとして働いていた。裁判で被告らは罪を認め、被害者家族に対する謝罪の言葉を述べたが、子供を保護する立場にありながら、日常的に虐待を加えていた罪は重いとして、検察の求刑より重い判決が下された。