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ファム・バン・ニュアンさん(53歳)は20歳の時、妊娠していた女性を助けた際に重傷を負い、両足を切断した。その後、車椅子バドミントンの選手になって活躍し、今は平穏な日々を送っている。
ハノイ市ドンアイン郡警察の警察官だったニュアンさんは、1980年9月のある日にパトロール中、住民の叫び声を耳にした。見ると、線路上を歩いているお腹の大きな女性の後ろから列車が迫っていた。飛び出して女性を救ったものの、ニュアンさん自身は足を巻き込まれて100メートル以上も引きづられ、両足を失った。
警察を辞めて沈んでいたニュアンさんは、1992年に障害者スポーツクラブに参加する。車椅子でバスケット、卓球、バドミントンなど何でもこなした。やがて車椅子バドミントンの代表選手になって、ASEANパラゲームに何度も参加した。ニュアンさんは、スポーツと妻の愛情が自分を支えてくれたと振り返った。
妻のホアン・ティ・キム・タインさんとの出会いは、リハビリ中の病院だった。知り合いを見舞いに来たタインさんがニュアンさんを助けるうちに恋仲になり、1984年に結婚した。2人は駐輪場の管理人や食堂などの仕事をして暮らしてきた。苦しい生活だったが、2人の子供にも恵まれた。成長した息子は、父親の後を継いで警察官になっている。