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メコンデルタ地方ドンタップ省ラップボー郡ビンタイン村にあるIDIマルチナショナル投資開発株式会社の魚油生産工場で4日午前9時ごろ、社長、副社長を含む社員6人が魚油タンクの中で窒息死するという痛ましい事故が発生した。4日付VNエクスプレスが報じた。
事故当日、同工場の検査員が魚油の品質を確認するため、高さ9メートルの魚油タンクから魚油をすくい取ろうとしたところ、油面まで届かなかったため、タンク内に設置されたはしごで下に降りた。しかし、しばらくたっても検査員が出て来ず、呼び掛けても応答が無いため、気を失っているのではと思った社長、副社長、作業員ら5人が検査員を救出しようと、タンクの中に入ったところ、全員が窒息死した。同じく、救出作業を手伝おうとして、タンク内に入った作業員の一人は、息苦しくなったので、すぐに外に避難したが、はしごを登りきったところで気を失った。
その後、タンクの下部にあるハッチをこじ開けて全員を外に出し、すぐに人工呼吸を行ったが、既に手遅れだった。なんとか自力で外に避難した作業員も呼吸困難に陥っていたため、病院に緊急搬送された。
現在、警察が事故原因の究明を急いでいるが、タンクに入ってから窒息死するまでの時間が非常に短かったことから、死因は何らかのガス中毒によるものではないかと見られている。これに対し、工場関係者はタンク内の魚油はチャ魚(ナマズの一種)から抽出されたもので、毒性があるとは考えられないとしている。