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ベトナム農村開発政策・戦略研究所(IPSARD)はこのほど、全国12省の農家3000戸を対象に、2006年から2年に1度実施している調査の結果をまとめた農業・農村白書を発表した。それによると、「労働に見合った収入が得られない」などの理由で、全体の42%の農家が現在の生活に不満を持っていることが明らかとなった。サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
白書によると、一戸当たりの農家の年間貯蓄額は500万~800万ドン(約2万3700~3万7900円)で、これは収入の10~15%に相当する。その大部分は自然災害や疫病などのリスクに対する備えであり、投資目的の貯蓄をしている農家は15%と非常に少ない。また、50%の農家が、自然災害や価格変動といった全体的なリスクや、家族の死亡や病気、土地の回収といった個人的なリスクにさらされていると回答しており、収入や貯蓄の低さに加え、様々なリスクを抱える農家の厳しい現状が浮き彫りとなった。
IPSARDによると、ここ数年で政府は多くの農業・農村支援策を打ち出しているが、まだあらゆる面で不十分であり、農家は地域社会の支援や、個人の努力、知人などの援助が無ければ生活するのも厳しいというのが現状だ。このためIPSARDでは、この白書の内容に基づいた新たな政策の提案を計画している。