(C)VnExpress, 新しく建設された薬殺刑用の処刑場 写真の拡大 |
2011年7月に刑法が改正され、ベトナムの死刑執行方法が銃殺刑から致死薬投与による薬殺刑に変更された。しかし、死刑執行に必要な致死薬が手に入らず、500人以上の死刑囚が処刑待ちの状態にあるという。12日付VNエクスプレスが報じた。
ハー・フン・クオン司法相によると、死刑執行に必要な致死薬は現在ベトナムで生産されておらず、ヨーロッパから輸入しなければならない。しかし、ヨーロッパがベトナムに死刑廃止を求めていることから、致死薬の調達が困難になっているという。
刑務官を30年以上勤めているレー・クイ・ロン大尉は、「薬殺刑により死刑執行人の負担が軽減され、刑務官が抱える苦悩を和らげることができる」と語った。また、薬殺刑第1号となるのは、2010年に頭部のない女性の遺体が発見された強盗殺人事件で元恋人を殺害したグエン・ドク・ギア死刑囚(26歳・男)になる模様だという。
ゲアン省ギーキム刑務所のある死刑囚は、「死ぬのは怖くないが、死ぬのを待つのがとても怖い。毎晩眠れず、足音や鍵を開ける音が聞こえると、震えが止まらなくなる。早く楽にして欲しい」と訴えている。
司法省によると、銃殺刑廃止以降、死刑執行待機期間中に死刑囚3人が自殺、3人が病死している。