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ベトナムの農村部ではコカコーラの類似品「コーラ」が格安で販売されているが、健康に害を及ぼす可能性がある添加物が含まれているとして問題となっている。12日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
この類似品「コーラ」は都市部ではほとんど見られないが、低所得者の多い農村部では広く飲まれている。販売価格は、小さいボトルで約2000ドン(約9円)、大きいボトルで1万ドン(約46円)と、本物のコカコーラの販売価格の3分の1分から半分程度であるため、売れ行きは好調だ。ボトルには本家に似せたラベルが貼り付けられているが、原材料の記載はなく、生産工場の場所も不明確である。
市場管理当局によるとこれら商品は、主に中国から輸入したと見られる出所不明な香料や添加物と井戸の水で作られているという。また、添加物としてチクロ(サイクラミン酸ナトリウム)など健康に害を及ぼす材料が含まれることが確認されている。
チクロは人工甘味料のひとつで、甘さが砂糖の30倍から50倍。EU圏、カナダ、中国など使用を許可している国も多いが、発癌性や催奇形性の疑いが指摘されたため日本や米国など多くの国が使用を禁止しており、ベトナムでも食品への使用を禁じている。
保健省は、少量のチクロで大量の清涼飲料の生産が可能であることから、利益のみ追求する業者が法に反して使用していると指摘し、注意を呼びかけている。