(C)giaoduc, ザンチー出版社の知育教材の問題のページ 写真の拡大 |
ベトナムでは経済成長とともに、子供の知育を目的とした様々な知育教材が書店に並ぶようになってきたが、ある知育教材が深刻化している中国との領土問題で強まる反中感情を刺激し、大きな社会問題となっている。7日付サイゴンザイフォン紙(電子版)等が報じた。
問題の知育教材はザンチー出版社から発行されている未就学児向けのもので、保護者たちに好評で売れ行きもよかった。だが、本の中に描かれている小学生の絵をよく見ると、校舎の上に立っている赤い旗は、ベトナム国旗ではなく中国の国旗だ。
この問題について情報を受けた教育訓練省幼稚教育局は、直ちにザンチー出版社に連絡し報告を求めた。同出版社は当初、この教材は中国で販売されている知育教材の著作権を中国の出版社から購入し翻訳したものであるため、内容の修正はできないと説明していたが、同局が出版契約の内容を確認したところ、事情によっては多少の修正は問題にはならないと判断できるため、同局は同社に対して早急に回収・修正するよう求めた。現在までに約1000冊が既に回収されているという。
この教材のほかにも、中国国旗を使用した教材や、中国の干支を使用した教材(ベトナムでは丑は水牛、卯は猫)など、同様のケースがいくつも見つかっているため、教材の出版に対する監視や検査を強化するよう求める声が高まっている。