(C)Tin moi、ティエムさんとその家 写真の拡大 |
メコンデルタ地方ビンロン省チャウタイン郡タンフー村では8月、宝くじに大当たりして一夜にして大金持ちになった人が70人も誕生した。ところが宝くじを売った「福の神」である男性は、今もボロボロの小屋で貧しい生活を送っている。24日付ティンモイが報じた。
グエン・バン・ティエムさんは8月10日、いつものように自転車で村を回って宝くじを売り歩いた。その日の夜、当選番号の発表があり、ティエムさんの売った宝くじに特等賞が7枚、幸運賞が63枚含まれていたことが分かった。特等賞の賞金は15億ドン(約566万円)、幸運賞は1億ドン(約37万7000円)だ。翌日から貧しいタンフー村は「躁状態」になり、景気のいい話で持ちきりになった。
一方、村の人々から「福の神」と呼ばれるようになったティエムさんは、相変わらず運河沿いの掘っ立て小屋で暮らしている。村の人達はティエムさんも宝くじに当選したはずと噂しているが、実際はそうではないという。宝くじ売りは皆、当選者からのお礼を期待するものだが、彼が手にした礼金は580万ドン(約2万1900円)にすぎない。
それでもティエムさんは「この商売はそういうもの。当選者から礼金をもらえればうれしいけれど、そうでなくても喜びを他の人にもたらすことができたことは私の喜びでもありますから」と語っている。