ホーチミン市の数ある病院の中で、チョーライ病院の霊安室は取り扱う遺体の数が最も多い。ここでは霊安室の係員や警備員と結託して、遺族にとって大切な遺体を「利権」として扱う輩が暗躍している。29日付グオイラオドン紙(電子版)が報じた。
遺族が遺体を引き取るには一定の手続きが必要だが、チョーライ病院ではそれとは別に「闇の世界の手続き」が求められる。家族の遺体を引き取ろうとしたNさんは、警備員に勤務時間外や病院の車がないことを理由に引き渡しを拒否され、翌日100万ドン(約3850円)の袖の下を払って引き取った。さらに「遺体を棺桶に入れなければ警察に捕まるぞ」なとど脅されて、結局4000万ドン(約15万4000円)もする棺桶を買わされたという。
同病院の霊安室にはムンという名の男とその一味が出入りしていて、遺族への遺体引き渡しを取り仕切っている。霊安室の担当者や警備員と結託して、棺桶や遺体搬出用自動車の手配などを一手に引き受けている。
同病院のファム・ティ・ゴック・タオ副院長はこうした事実は知らなかったとし、「霊安室の担当者や警備員に事情を聞いて、事実であれば処分する。また、霊安室の規則が守られているかの内部監査を強化する」と話した。