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ベトナムと中国の間で領海問題が発生している南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)海域で22日、南中部クアンガイ省の漁船が中国の監視船に発砲されていたことが明らかになった。25日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
発砲されたのは同省ビンソン郡ビンチャウ村在住のダン・タムさんが所有する漁船QNg-90281TS号。同氏によると、中国側の監視船は発砲後、ベトナム人乗組員に向けて放水。漁船に乗り込んだうえ、漁業関連の器具や漁獲物などを押収し、燃料の殆どを海に投棄したという。これによる損失額は約3億ドン(約117万円)に上るという。なお、同氏は1年前にも中国当局に漁船を拿捕されており、保釈金として7万人民元(約91万円)を徴収されている。
ホアンサ諸島海域では、以前から中国船によるベトナム漁船の拿捕などが多発している。この他、◇中国、◇ベトナム、◇フィリピン、◇台湾、◇マレーシア、◇ブルネイの6か国・地域が領有権を争うチュオンサ諸島(英名:スプラトリー諸島、中国名:南沙諸島)海域でも昨年、中国船による妨害活動や威嚇発砲などの事件が相次ぎ、緊張状態が今なお続いている。