腐敗・汚職に対して取り組む国際的な非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)はこのほど、「社会の透明性」についてのベトナム若年層の価値観に関する最新調査報告を発表した。この調査は全国12の省・都市に居住する15~30歳までの若者1022人を対象に実施された。10日付サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
これによると、回答者の86%が「自らが贈収賄の防止に貢献できる」、60%が「贈収賄の事実を発見した場合は告発する」と答えているものの、実際に告発した経験があるのは全体の4%に留まった。更に、38%が「良い会社に入社するため、仕事が円滑に進むためなら贈収賄を行う」と回答した。
また、告発しない理由については、「自分とは関係ない」、「告発しても無駄」などの回答が多く、贈収賄が蔓延する現在の社会に対する傍観的、悲観的な意見が大半を占めた。
通常、「社会の透明性」に対する価値観の形成には、マスコミ、学校、家族、友達、同僚などが重要な役割を果たすものだが、今回の調査では、学校でこれに該当する教育を受けたと答えた回答者がわずか17%に留まった。更に、この内3分の2の回答者が「この分野に関する教育プログラムは形式上のもので意味が無い」と答えている。