南中部クアンナム省人民委員会はこのほど、同省タムキー市タムフー村のカム山地区に建設中の巨大モニュメント「ベトナム英雄の母」建設案件の費用を当初の810億ドン(約2億9700万円)から4100億ドン(約15億円)に引き上げることを決定した。21日付VNエスプレスが報じた。
同省文化スポーツ観光局のディン・ハイ局長は建設費引き上げの理由について、「国内最大規模のモニュメントを目指すべく、設計の調整、資材の変更、追加工事を実施していることが原因」と説明した。
このモニュメントの中央にある「英雄の母親像」は、ベトナム戦争で子供9人を亡くした同省ディエンバン郡のグエン・ティ・トゥーさんという女性をモデルとしており、モニュメント全体を含んだ敷地面積は15ヘクタール、「英雄の母親像」が950平方メートル。ベトナム戦争とインドシナ戦争時代に子供を亡くした母親5万人の名を刻んだ慰霊碑や関連資料、芸術作品なども展示されるという。
なお、今回の建設費追加に対して、多くの研究者は「英雄の母を讃えてモニュメントを建設することも大切だが、このように莫大な費用をかけて行うことではない。最も大切なことは、今なお貧しい生活を強いられている英雄の母達の生活を改善させることだ」と指摘している。