ホーチミン市工科大学の研究グループは28日、顔の表情から人の感情を理解するロボットの実験を公開した。この実験の成功は、ベトナムの人工知能分野の研究や将来の知性ロボット開発につながると期待されている。29日付ダットベト紙電子版が報じた。
29日付サイゴンティエップティ紙は実験の様子を次のように伝えている。「ロボットは室内をゆっくり移動しながら人を探し、発見すると徐々に近付いていった。90センチメートルほどの距離まで近付くと停止し、目の前にいる人の顔の観察を始めた。観察されている人が微笑を浮かべると、ロボットは30センチ後退した。人が悲しそうな顔をすると、今度は慰めるように近付く。人が近付こうとするとロボットは後退し、人が後ろに下がるとロボットはまた近付く。ロボットはお互いの距離を90センチに維持したがっているように見えた」
研究グループ主任のグエン・ドク・タイン博士によると、顔の64か所をポイントし、その動きで感情を判断するアルゴリズムが組まれているといい、ロボットは今後訓練を重ねることで、喜び、悲しみ、怒り、驚き、冷静などの感情を理解できるようになるという。タイン博士は「このアルゴリズムは新しいものではない。我々の研究の新しい点は、計算時間を短縮するための工夫をしたことにある」と述べた。