元政府高官らを含む有識者グループはこのほど、中部高原地方ラムドン省バオラム郡タンライ鉱山でのボーキサイト採掘・アルミナ精錬案件と同地方での同様の案件の停止を求める提案書を共産党政治局、国会、政府に送付した。
このグループには、グエン・ティ・ビン元国家副主席、ダン・フン・ボー元資源環境次官らも名を連ねている。グループは、ボーキサイト採掘・アルミナ精錬案件について次の5項目を提案している。1)タンライ鉱山でのアルミナ精錬工場建設の停止、2)中部高原地方ダクノン省のニャンコー精錬工場に関する外国企業との交渉の停止、3)同地方でのすべてのボーキサイト採掘案件の停止、4)ボーキサイト採掘・アルミナ精錬案件全体を再検討するための独立研究グループの設置、5)検討結果の国会への報告と国民からの意見聴取。
グループは提案の理由について、高い経済効果が期待できないこと、環境汚染を引き起こす恐れがあること、安全保障上の問題があることを挙げている。経済効果については、投資額の大きさに比べ利益が薄く、赤字が確実と見込まれていることを指摘した。環境汚染の危険性については、1tのアルミナを生産するのに3tの有毒汚泥が発生することと先ごろハンガリーで起きたアルミナ精錬工場の鉱滓(こうさい)ダム決壊事故を引き合いに出した。
これより前、党政治局も政府と投資主に対し、この案件に対する科学者や経済専門家の意見に留意して計画を見直すよう求めている。