国会科学技術・環境委員会のグエン・ブー・カイ副主任は21日に開かれた記者会見で、同委員会と各関連省庁から成る視察団が中部高原地方の各ボーキサイト採掘案件実施地域を監査する予定だと明らかにした。先ごろハンガリーでアルミナ精錬工場の鉱滓(こうさい)ダム決壊事故が発生し、流出した赤い有毒汚泥が深刻な環境破壊をもたらしたことから、この問題への関心が高まっていることを受けた動き。
カイ副主任は「現場の監査は去年から行っており今年も計画に盛り込まれている。ただ、ハンガリーの事故があったので前倒しして実施する。この事故は教訓として受け取り、冷静に判断すべきだ」と語った。
中部高原地方の地質に問題があるのではとの懸念に対し、カイ副主任は「地震の起きる可能性は誰も否定できない。そのため鉱滓ダムをどこに建設するかは非常に重要で複雑な問題だ。最も心配しているのは地震より大雨だ。先に中部で発生した豪雨がもしこの地方で起きたらどうなるか予測できない」という。
また、有毒汚泥を管理する第三者機関が必要と思うかとの問いには、「第三者機関の設置は短期間に実施する大規模建設案件には向いているが、有毒汚泥の長年にわたる管理は投資主と監督当局の責任だと思う。こう言ったからといって全面的に任せてもいいわけではない」と答えた。