ホーチミン市の14の区と郡では地盤沈下が進行しており、沈下速度は年間7~10ミリメートル、ひどいところでは年間15ミリメートルに達している――。ホーチミン市国家大学の地理情報学センターが最新の観測結果として発表した。
同センターの観測結果によると、都市化スピードの速い地域(2・6・7・8・9・12・タンフー・ビンタイン・トゥードクの各区、ビンチャイン・ホクモン・ニャーベーの各郡)では年間平均15ミリメートル以上の速さで沈下している場所がある。地盤沈下は1996年に始まり、2004年以降スピードが加速した。6・8・ビンタインの各区では特に沈下速度が速い。
同市交通運輸局第1都市交通管理区によると、ビンタイン区のグエンヒューカイン通りは全体にわたって20~80センチメートル、トゥーティエム橋からグエンヒューカイン橋までのアプローチ道路は1.2メートルも沈下しているという。道路両側の排水溝も沈下に伴って一部が損壊し、排水機能を果たせなくなっている。専門家はグエンヒューカイン通りの改良工事をするだけでも2000億ドン(約8億6000万円)が必要になると指摘している。
地理情報学センターのレ・バン・チュン所長は、地盤沈下の原因として、都市化の過程で地面がコンクリートに覆われたことや運河が埋め立てられたことなどにより地下水の供給量が減る一方で、工業化の進行により地下水需要が急増したことを挙げている。
同市資源環境局の資料によると、同市で取水されている地下水は1日当たり100万立方メートルであるのに対し、地下水流入量は20万立方メートルに過ぎない。同市人民委員会は2007年に市内一部地域での地下水取水を制限したが、実効は上がっていないのが現状だ。