低価格住宅の需要がハノイとホーチミンの両市で急増中だが、供給が追いついていない。ベトナム評価レポート株式会社(ベトナムレポート)の最近の調査によると、不動産購入希望者のうち、40%が低価格アパートを、23%が高級アパートを希望している。
両市の人民委員会は不動産開発業者に対し、所有する土地とアパートの20%を低所得世帯向けにするよう指示。これで数百万人が低所得住宅を購入できるようになるはずだが、土地不足のために開発が遅れている。ベトナム建設協会のファム・シー・リエム副会長は「最近の低価格住宅需要の高まりは、高級アパートの建設ラッシュがその一因。不動産市場から低所得世帯が締め出されている」と指摘している。
国連人間居住計画(ハビタット)によると、ベトナムの都市部住民2600万人のうち900万人がスラムに住んでいるという。建設省のまとめによれば、2015年までに全国で低価格住宅建設プロジェクト263件が実施され、87万人が居住可能なアパート21万7230戸が完成する予定だ。