ベトナムの学校ではこれまでライフスキル(生活技能)教育がほとんど行われていなかったが、教育訓練省は新年度のカリキュラムに初めてライフスキル教育を盛り込んだ。ライフスキルとは、コミュニケーション能力、健全な対人関係を構築する能力、意思決定能力、批判的思考力、自己管理能力などのこと。ただし、こうした能力を教えるための特別な授業を開くのではなく、従来の「市民教育」クラスにレッスンを組み入れるにとどまるという。
都市部の親の多くは、ライフスキル教育を自らでするか、その手の教育を重視する私立や外資の経営による教育センターに子どもを在籍させている。ライフスキル教育によって子どもたちは社会の中での自分の価値に気が付き、自信をつけることができ、また自分の身体や心をよりよく理解し、ストレス・心理的危機・暴力などから自分を守ることができるようになるとされている。
教育訓練省高等教育部のレ・クアン・タン部長は「人間は生まれがらにして、良いマナーや社会行動を身に付けているわけではない。学校と家庭が協力して、生徒を善良な市民に育てる必要がある」と述べた。