ベトナムに支店を置く海外出版社6社によると、各社の書籍400タイトルが違法にコピーされ販売されているという。その大半が外国語学習に関するもので、英語学習書の90%が海賊版だ。
オックスフォード出版社ベトナム支店のボー・ダイ・フック代表は「海賊版を製本している業者は最新機器を備えており、完成品はオリジナルと比べて80~90%の完成度。出版業界で働く者にしか、本物と偽物を区別できない。海賊版の中には2カ国語版もあり、翻訳者名も記されている。オリジナルの内容を改ざんしたり、誤訳がないかと危惧している」と語った。
情報通信省によると、海賊版による著作権侵害に対する罰金は5億ドン(約260万円)に上る。政府は海外書籍を大量注文し消費者に安価で回すようにしているが、海賊版を求める人は依然として多いという。国際知的財産権アライアンス(IIPA)が発表した2008年の著作権侵害国のランキングでもベトナムは上位にランクインしている。