ホーチミン市交通運輸局給排水管理課は16日、同市内で長年未使用のまま放置されている鉄筋コンクリート製の大型給水塔8基について、管理者のサイゴン水道総公社(サワコ)に対し今後の利用方針を報告するよう求めたことを明らかにした。
これらの給水塔は1970年代に建設され、高さ29~35メートル、容積3000~8000立方メートルに達する巨大なもの。水圧が低い地域に十分な水圧を与えるためや、断水時に備えて貯水するために建設されたが、完成直後に水漏れが確認されて以来、現在に至るまでまったく利用されていない。
サワコが数年前に海外から専門家を招いて調査したところ、内部の鉄筋の状態は良く使用可能との評価が得られたが、建設省は万一の事態を懸念して給水塔の使用を認めていない。また使用を再開するには給水管やバルブなどすべての部品を交換しなければならず、多額の費用が必要となる。
そのため、使用できないのならこれらの給水塔を取り壊して跡地を有効利用すべきとの意見が出ている。しかし専門家は、取り壊すとしても周辺住民に大きな影響が及ぶことは確実で、容易な作業ではないと指摘している。