メコンデルタ地方カントー市のサイゴン商信銀行カントー支店で、破損したコットン製の10万ドン(約700円)紙幣、総額7150万ドン(約50万円)をポリマー製紙幣に交換しようとした女が、不審に思った銀行員の通報により、カントー市警察に逮捕された。その後の調べで女は、兄、弟らと4人で同様の犯行を繰り返していたことが分かった。
今年9月から額面5万ドン(約360円)と10万ドン(約710円)のコットン製紙幣は流通停止となり、紙幣の表面積が60%以上残っていれば銀行でポリマー製紙幣と交換することができる。犯人らはこれを悪用することを思い付き、金(きん)販売店で額面10万ドン(約700円)のコットン紙幣を大量に入手、これらの紙幣をピンキングばさみでぎざぎざに切り、貼り合わせては破るなどして表面積が60%以上残るよう細工を施し、元の紙幣5枚から破損紙幣6枚を偽造する、という方法で「増額」した。
4人は交代で銀行へ行き、毎回偽名を使用して「(紙幣が)シロアリに食われた」などと言っては新紙幣に交換、合計47回で総額26億6140万ドン(約1900万円)の交換に成功していた。今回被害に遭ったのは投資開発銀行とサイゴン商信銀行のカントー支店。この事件の発覚により、紙幣交換に関する規定を一部遵守していなかったことも明るみに出たため、各支店幹部らの責任を問う声が上がっている。